BtoB企業が海外マーケティングで成果を出すためのアプローチ【Webサイト制作体制編】

本日のテーマは、海外向けWebサイトは「現地制作」か「国内制作」か? 体制別のメリット・デメリットについてお話します。海外向けWebサイトを構築する際、「現地(海外ブランチ・子会社)で制作するのか」、それとも「日本国内(本社主導)で制作するのか」という体制の選択は、プロジェクトの成否を分ける極めて重要な分岐点です。 それぞれの「メリット・デメリット」と「適した企業フェーズ」に分けて、分かりやすく解説します。なお、ここで言う「海外向けWebサイト」とは、日本国内向けサイトを単純に外国語訳したものではなく、特定の国や地域に向けた情報発信を目的としたWebサイトを指します。

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  1. 海外向けWebサイトは「現地制作」か「国内制作」か? 体制別のメリット・デメリット

    海外向けWebサイトの制作体制には、大きく分けて「現地の海外ブランチ(支社・子会社)に任せる方法」と、「日本国内(本社主導)で制作する方法」の2つがあります。どちらが良いかは、会社の組織体制や海外進出のフェーズによって180度変わります。

    1. パターンA:現地ブランチ・子会社で制作する場合

      現地のマーケティングチームや、現地の制作会社などを起用してサイトを構築するパターンです。

      <現地ブランチ・子会社で制作する場合のメリット>

      ・自然なローカライズが可能
      現地のビジネス習慣、トレンド、業界用語(スラングに近い専門用語など)を熟知しているため、現地のターゲットに最も刺さる表現を最初から作ることができます。

      ・現地SEOとWeb広告の連携がスムーズ
      現地のユーザーが普段どんなキーワードで検索しているか(検索意図)を肌感覚で理解しているため、SEO対策やリスティング広告の設計でミスマッチが起きません。

      ・スピード感のある運用
      時差やコミュニケーションロスが少ないため、現地の展示会やキャンペーンに合わせたサイト更新をリアルタイムに行えます。

      <現地ブランチ・子会社で制作する場合のデメリット>

      ・ブランドイメージ(ガバナンス)の崩壊リスク
      日本本社が関与しないと、ロゴの使い方や企業カラー、メッセージ性が本社のブランドアイデンティティから大きく逸脱し、国ごとにバラバラな印象を与えてしまうリスクがあります。

      ・情報の正確性が担保しにくい
      例えば、日本の開発チームしか知らないようなコアな技術情報やマニアックな仕様が、現地での制作過程で誤って解釈され、間違った表現で掲載されてしまうことがあります。

      ・コストが重複・肥大化するリスク
      特定のツールライセンスを現地と本社で二重に契約することになり、コストがかさむケースがあります。また、似た機能の別ツールを連携させる際に、余計なオペレーションコストが発生することもあります。

       

      <こんな企業・フェーズにおすすめ>

      すでに海外拠点へ権限を委譲しており、現地での売上やマーケティングが独立して機能している。また、現地での独自性を重視している場合。日本の製造業は、比較的この「現地に任せる」傾向があります。

    2. パターンB:日本国内(本社主導)で制作する場合

      日本の本社マーケティング部や海外事業部が主導し、日本の制作会社(グローバル対応企業)を使って制作するパターンです。

      <日本国内(本社主導)で制作する場合のメリット>

      ・企業のコアな「技術・強み」を100%反映できる
      BtoBで最も重要な「独自の技術力」や「開発背景」を、日本の開発チームから直接ヒアリングして正確にコンテンツ化できます。

      ・世界共通のブランドガバナンスが保てる
      本社のWeb戦略やデザインガイドラインに沿って作れるため、世界中どこから見ても「信頼できる1つのグローバル企業」としての統一感を維持できます。

      ・コスト管理とシステム統合が容易
      日本側で一括して予算を管理でき、セキュリティ基準やCMSを全社で統一しやすいため、長期的な保守運用コストを抑えられます。

      <日本国内(本社主導)で制作する場合のデメリット>

      ・「直訳テキスト」や「日本っぽいデザイン」になりがち
      どんなに注意しても、日本国内だけで作ると、ネイティブが見たときに不自然な言語表現や、現地らしさのないデザインになってしまう場合があります。

      ・現地の市場変化への対応が遅れる
      時差やコミュニケーションの壁があるため、現地ブランチからの「ここを修正してほしい」という要望への対応が後手に回り、結果として現場でサイトが使われなくなる(営業活動に活かされない)恐れがあります。

      ・現地に最適化したマーケティングを展開しにくい
      現地のデジタルマーケティングに精通した人材が本社におらず、日本での成功パターンをそのまま適用してしまい、効果が発揮されないケースがあります。

       

      <こんな企業・フェーズにおすすめ>

      現地へのローカライズよりも、統一されたブランドの信頼性を担保したい場合。または、海外拠点を立ち上げたばかりで、サイト制作にまでリソースを割けない場合。米国企業などは、ブランドガバナンスを重視して本社主導で対応するケースが多く見られます。

    3. 「ハイブリッド型」という選択肢も

      予算や体制が許すのであれば、「デザインの枠組みやシステム、コアとなる技術コンテンツは日本国内(本社)で統括し、テキストのライティングや現地の特設ページは現地ブランチに権限を委譲する」というハイブリッド型の選択肢もあります。いずれにせよ、組織体制や海外拠点のフェーズによって最適解は変わってきます。

       

      組織体制によって、インフラ・ドメイン戦略やアーキテクチャを調整

      組織体制によってサーバをどこに置くかなどのインフラ構成、ドメイン戦略が変わってくることもあります。インフラの管理は、どこがコスト負担をするか、どこが管理すると効率良いかだけで判断できるものでなく、会社のセキュリティポリシーによって制限されることもあります。海外担当部署だけでなく、情報システム部や場合によっては経営企画部などと連携して進める必要があります。

      Webサイトだけに限らず、一筋縄ではいかない海外マーケティングですが地道な積み重ねこそが重要です。K&Lは中国とインドに拠点を持ち、さまざまなBtoB/BtoC企業の現地向けマーケティングを支援してきました。中国・インドでのマーケティングにお悩みの方、まずはご相談だけでもお気軽にご連絡ください。